Web記事 備忘録的まとめ:米オンラインニュースの最前線を追え―― 最新テクノロジーが変えるジャーナリズム

米オンラインニュースの最前線を追え―― 最新テクノロジーが変えるジャーナリズム

アメリカ国内外のオンラインニュース関係者が集結し、ジャーナリズムのイノベーションや最新事例を議論する年次イベント「ONA15」が9月24日から3日間、米カリフォルニア州ロサンゼルスで開かれた。

2015/10/15 22:48


アメリカ国内外のオンラインニュース関係者が集結し、ジャーナリズムのイノベーションや最新事例を議論する年次イベント「ONA15」が9月24日から3日間、米カリフォルニア州ロサンゼルスで開かれた。 - ujigislab のコメント / はてなブックマーク

 

ONA15」を主催するのは、The Online News Association(ONA)というアメリカの非営利団体

 

今年人気だったセッションのひとつが、ウェブメディア・グループ創設者エイミー・ウェブ氏による「Tech Trends in Journalism」。

 

ウェブ氏がまず挙げたキーワードはコグニティブ・コンピューティング」。

コンピュータが膨大な情報を分析、自ら学習して人の意思決定を支援するシステムのことで、IBMの「ワトソン」などが知られている。

 

このテクノロジーのひとつとして紹介されたのが、人工知能「Crystal」

フェイスブックツイッター、インスタグラムの投稿など、公のオンラインデータを瞬時に分析し、友達や上司、意中の相手などの性格診断をしてくれるというシステム。

 

このような技術は、オンラインニュースの未来にとってどんな意味を持つのだろうか。

 

読者の性格や興味を細かく分析することで、

「Aさんは解釈や思想の色を排除した、事実だけを詳細に伝える記事が好み」や、

「Bさんは専門的な、かなり深堀りした政治記事を欲しがっていて、この政治家が嫌い」など、

単なるトピック選びにとどまらず、

それぞれのユーザーの好みを究極まで突き詰めたコンテンツを届けることができるようになる

 

 

 

「映像の世界でも革新が起きている。進化するVR(仮想現実)やAR(拡張現実)のテクノロジーを用いれば、これまでになかったドキュメンタリー映像や、ユーザーが実際にある出来事を体験しているかのような臨場感ある物語も提供できる」

ウェブ氏のプレゼンでは、実際そこには存在しない物体の3D映像を、スクリーンではなくユーザーの目の前に直接映し出す技術の開発で先端を行くMagic Leapが紹介された。

「3Dスクリーンなどはジャーナリズムにおいて実際的に使えます。今後数年でこれらの技術は至る所に登場するようになるので、2016年はぜひ試してみてください」

 

 

 

ウェブ氏が注目するのは、ピアツーピアを通じてWebページを提供する「Project Maelstrom(プロジェクト・メールストロム)」

Bittorrentのこのプロジェクトは、いわば「ブラウザ間にのみ存在するインターネット」。コンテンツはネットワークに接続している人々だけが共有でき、サーバーにはない。

 

 

ジャーナリストの取材方法も新たなテクノロジーで変わりつつある。ウェブ氏は、「今後ロボットが記者の取材をサポートする光景が普通になる」と予想している。